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手間を掛ける、
技が活きる。

インターネットの普及で、だれでもたっぷり情報を発信できる時代になりました。
職人も、今まで知らせようがなかった「手間」を、ホームページ上で説明できます。
「この手間をかけると、こんな効果がありますよ」といった具合です。

私はかつては「手間のわりに効果が薄いな」と感じた手間を省いたことがあります。
「効果が薄い」だけで「効果が確かにある」にもかかわらず...でも今は違います。
このWebサイトで、「手間」と「効果」の因果を皆様に十分にお知らせできるのです。

思う存分「手間」を掛けて、磨いてきた「技」を活かし尽くします!

1、「人」が担う高精度

ピンクアイボリーを旋盤加工している画像

ピンクアイボリーのピンを、「旋盤」で加工している画像です。年季の入った機械
ではありますが、それでも「0.01ミリ=10ミクロン」単位の精度で加工しています。

また金属と異なり、木材は組成が均一でなく、加工物それぞれで「クセ」があります。
この「クセ」に合わせて、削り具合を「眼」で確かめながら、刃物を送るスピードを
微調整しています。送りが早すぎればビビる!遅すぎれば焦げる!人間の感覚が一番!

2、あえて「1ダース」の
非効率

作業一回分の一ダースの部材の画像

木材は外気と同調し、「温度、湿度」の変化により寸法が変化しやすい素材です。
しかし、たとえ「温度、湿度」が一定でも、加工して形状が変わると「内部応力」
という木材自体の力により、加工後の形状が徐々に変化してきます。

この靴べらの場合は、コクタンに開けた穴と、ピンクアイボリーのピンの外周が、
次第に「真円」から「楕円」に狂ってきます。いくら高精度の加工を施しても、
時間が経ってしまえば、コクタンとピンクアイボリーの接合部に、大きな隙間が
できてしまいます。

そこで、今まで効率優先のために行ってきた「100個」単位での各部材の加工を、
わずか「1ダース:12個」だけに限定し、変形する前に一気に接合まで行います。
少しでも隙間のない接合部を実現するための、「非効率」の選択です。

*天然素材ゆえ、コクタンとピンクアイボリーの接合部には、
わずかな隙間や段差が発生する可能性がありますが、使用には
何ら問題はございません。何卒ご了承ください。

*ここだけは
お許しください。

靴べら掌の裏面に発生する黒い線の画像

靴べらの裏側の画像です。矢印で示した黒い線がお分かりでしょうか?
これは、ピンクアイボリーが入る穴を開ける作業にて、ドリルが靴べらの裏側に
貫通する際に発生した、いわゆる「バリ」が接着剤で埋まった跡です。
(ドリル回転の方向に対して、木目が逆になるため起こる現象です。)

「穴開け」には高精度の特殊ドリルを使用しておりますが「ドリル貫通穴のバリ」
の発生を防ぐのは大変難しいのが現状であり、画像に示した程度の「黒い線」が
お届けの商品に残っている場合があります。ご使用には全く影響はございません。

3、手が覚える
「磨き」の技

「これのどこが技なの?」と、動画をご覧の方は、きっと思われたでしょう。
ただ手が前後に動いているだけに見えますが、実はこれが「職人技」なのです。

この単純な動作の中には、多数の「チェック項目」が隠されています。例として
割れの感触はないか、曲面に歪はないか、端はダレていないか、目詰まりはないかetc
この多数のチェックを、削りながら「手」そのものが、ほぼ無意識に行っています。
いわば「手が仕事を覚えている」状態で、もはや「頭」はあまり働いていません。
数えきれない作業の繰り返しに耐え抜いた「プロ職人」だけが会得できる技です。

この靴べらをお手にした際には、その「キリッ」とした木肌に、無意識の職人技を
実感していただけると自負しています。

4、七たび磨いて
お手元へ

使用している研磨用品を7種類並べた画像

「携帯曲木靴べら 掌Shou」の表面は、7種の異なった粗さの研磨材で磨いています。

通常は5種の研磨材があれば十分に仕上げることが可能ですが、「コクタン」の場合、
木材の色が濃く、「削り過ぎ」や「不要な傷」が目立ちやすく、美観が損なわれます。

そこで私たちは、さらに2種を加え7種とし、「磨き」の作業をより細分化。例えば、
180番は平面の荒仕上げ、240番はその傷の除去、220番は角の丸めだけに使用、など。

必要ない部分に研磨材が当たるのを防ぎ、「削り過ぎ」や「不要な傷」を最小限に抑え、
「よりスッキリ、よりシャープ」な仕上がりをお届けできるよう、手間を重ねています。