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あなたが育てる
「極上の艶」

「あまりツヤツヤしてないんだな…」
 
私の靴べらを最初に手にすると、そう感じるかもしれません。
なぜなら私自身はピカピカになる一歩手前で仕上げを止めています。
もちろん手抜きではありません。むしろツヤツヤにするほうが簡単です。
 
 ではなぜツヤツヤにしていないのか?
それは「極上の艶」は、お客様自身でないと出すことが不可能だからです。

ミツバチからの贈り物、
蜜蝋ワックス

花の周りを飛ぶミツバチとその巣

「蜜蝋:ミツロウ」は、働き蜂が分泌液で作られた蜂の巣を精製したもので、
古くは古代エジプト王朝やローマ帝国でも、キャンドルやハンドクリームなど
の原料として使用されていました。

 
当工房で使用している蜜蝋ワックスは、蜜蝋と植物油を組み合わせたもので、
シックハウス症候群の原因となる「有機溶剤」を一切含まず、100%天然素材
のみで作られた安全安心の自然塗料です。「木」も自然なら「塗料」も自然。

 

靴べらに蜜蝋ワックスを塗っている画像

蜜蝋ワックス塗料は、塗膜をほとんど形成しない塗料です。
合成塗料のような耐水性のある丈夫で厚い塗膜を形成することは出来ません。

 
・靴べらが濡れてしまうと、一時的に「シミ」となることもあります。
(水気を拭いたらそのままお使いください。ほとんどの場合自然に消えます。)
 
・べンジンや除光液、お酒やクリーナーに含まれるアルコールなども苦手です。
(その際もそのままお使いください。これもほとんどの場合自然に消えます。)
 
・紫外線を防ぐ成分も入っておらず、時間経過と共に木肌も「日焼け」します。
木材は天然素材です。革製品と同様にエイジングしていきます。)
 
しかし「蜜蝋ワックス塗料」は、「木の素材感」をまったく損ないません。
握ったその手に触れる感触は「木肌」そのものの感触なのです!

ご愛用こそ
「最終仕上げ」

靴べらを使用しているシーン

靴も靴下も肌も、
みんな研磨材?

靴べらを使って靴を履く方ならお気付きだと思いますが、
・靴にかかとを滑り込ます時
・靴から靴べらを引き抜く時
には「ググッと」感じる程度の抵抗を感じるはずです。
 
これは靴べらの表面に、靴とソックスによる大きな摩擦力が発生しているからです。
なぜなら「靴の革」も「ソックスの生地」もその表面は細かな凹凸となっているからです。

手のひらのしわを写した画像

また人の手指には、指紋など多くの「シワ」で埋め尽くされています。靴べらを靴から引き抜くことが出来るのも、この「シワ」による摩擦のおかげであります。そしてこのシワの表面も実際は細かな凹凸で構成されています。
 
これをまとめると以下のことが成り立ちます。
1、靴の革、ソックスの生地、手指のシワ=極めて細かい研磨材
2、摩擦力=研磨作業
 
つまり「靴べらを使って靴を履くこと=靴べらの表面を磨くこと」といえるのです。
 

木と皮脂の抜群の相性

人の手指に含まれる皮脂は、木材に付着し線維内に浸透する性質があります。そのため古来より「木工品を磨くのは手のひらが一番いい」といわれる理由です。
 
私の靴べらも同様で、使用するたびにその表面から皮脂が徐々にしみ込んでいきます。
その皮脂は以下の役目を果たします。

 
1、木材の木肌にしっとりとした深み(濡れ色)を与える。
2、次第に減っていく蜜蝋ワックスの代替の役目をし、油分を補充する
 
人の皮脂は木材にとってまさに最高の「保護艶出し剤」なのです。
(水で濡れて一時的に「シミ」になっても、消えていく理由がこれです。)
 

摩擦と皮脂で育てる
「極上の艶」

この「摩擦と皮脂」の効果により、靴べらの表面に深みのある美しい艶が現れますが、そのためには、その艶が出てくるだけの下地を整えてやらなねばなりません。私は7種類の研磨材を使い、「摩擦と皮脂」による艶出しに最適な下地をしっかり作り上げます。
 
しかし一週間程度のご使用では艶は現れません。ご使用頻度に大きく左右されますが、少なくても数か月はかかります。手が当たりにくい場所は手のひらで優しく撫でてやってください。(皮脂が補給されます。)
 
じっくり使っていただくことでしか出せない艶、それが「極上の艶」なのです。
お客様のご愛用による「最後の仕上げ」をぜひお楽しみください。

 
*私たちも出荷直前に「艶出し剤」や「機械によるバフ掛け」を施せば、木材表面をピカピカにすることは可能ですが、均一で無機質な艶しか出すこと出来ません。深みのある自然な艶は機械では出せません。